【この記事で分かること】
・フラッシュオーバーとバックドラフトの違い
・フラッシュオーバーとバックドラフトの発生条件
・フラッシュオーバーとバックドラフトの特徴
この記事で解説する「フラッシュオーバーとバックドラフトの違い」を読めば、それぞれの危険性や発生条件を見分けることができるようになります!
「言葉は知っているけれど、なんとなくしか、、」
「似たような現象みたいだけど違いがよくわからない」
という消防職員の方は、現場活動において重大な情報でもあるのでしっかりと確認しておきましょう!
今回はフラッシュオーバーとバックドラフトが具体的にどのような現象で、どのように違うのか解説していきます。
フラッシュオーバーとバックドラフトの違いは酸素量にあり
【フラッシュオーバーとバックドラフトの違い】
・ポイントは「酸素量」
・フラッシュオーバーは酸素が十分にある
・バックドラフトは酸素が不足している
まず、フラッシュオーバーとバックドラフトの基本的な大きな違いを説明すると、違いは火災室の酸素量にあります。
2つの現象が発生する前の状態として、
フラッシュオーバー(FO)は燃焼に必要な酸素が十分にあり燃焼している状態。
それに対してバックドラフト(BD)は酸素不足で炎がくすぶっている状態となります。
「え?酸素がなんなの?」
とあまりピンときていない方は燃焼に必要な要素をまとめた記事があるのでこちらを参照にしてください。
※上記の記事の前半に書いてあります。
この時点で勘のいい方はバックドラフトの仕組みに気づいたと思いますので、先にバックドラフトについてお話しします。
バックドラフト(BD)
先ほども説明した通りバックドラフトは火災室内で燃焼に必要な酸素が不足して炎がくすぶっている状態で発生する可能性の高い現象です。
可燃性の一酸化炭素ガスが酸素が足らないがために燃焼されることなく溜まっている状態です。
酸素が外部から供給されない状態なので基本的に火災室は密閉されています。
ここで、窓や扉を開けることによって、大量に溜まっていた高温の一酸化炭素ガスが一気に燃焼して爆発するのがバックドラフトです。
バックドラフトの前兆
ここで代表的なバックドラフトの前兆をご紹介します。
バックドラフトは火災室内の酸素が足りていなく密閉されています。
火災室はそんな状態でどうにか酸素が欲しいわけです。
よって狭い隙間などから空気と煙の交換が激しく行われるため、「窓や扉の隙間から濃煙が勢いよく吹き出す」「呼吸音や口笛のような音や、窓がガタガタと音を立てる」というような前兆があります。
開口部を作る際は状況を冷静に判断して不用意な活動をしないように気をつけましょう!
フラッシュオーバー(FO)
フラッシュオーバーは木材などの可燃物が火災による熱によって成分が分解され、引火性のガスが発生し充満していき、火災室内の輻射熱等により加熱され引火点まで達したガスが一気に発火する現象です。
フラッシュオーバーが発生すると室温が1000℃にもなるとも言われており、一度発生してしまった建物は途中で火勢を鎮圧することはほぼ不可能といえるでしょう。
また、延焼も一気に拡大するので活動をする上での注意点、危険要素が一気に増えることなります。
フラッシュオーバーの前兆
フラッシュオーバーは前兆現象が多いため箇条書きにて紹介させていただきます。
・褐色、灰色、黄色味を帯びた異常な濃煙が噴出
・屋内が500℃以上に達し、ひざまずきたくなるうようなな熱気
・屋内の炎の先端が天井の高さに達するのが継続的に見られる
・煙の中に炎が見え、床付近まで煙が急降下するロールオーバー現象が見られる
・屋内上層に散発的に小さい閃光(フラッシュ)が見られる
等、多くの前兆現象が見受けられます。
なお、フラッシュオーバーの防御対策として
・噴霧注水によって火災室内を冷却する
などがありますがかなり危険な活動になるため緊急避難ができるよう常に退路を確保するようにしましょう。
まとめ
今回はフラッシュオーバーとバックドラフトの違い、各概要について説明させていただきました。
難しく、現場でもなかなか経験できない内容だと思うので動画で学習したり、文献をあさって見るのもお勧めします。