意外と細かい!消防の扱う火災について
こんにちは、平和主義の健二です。
今回は消防の活動のメインになる?火災について書いていきたいと思います。
火災については消防学校の初認教育でも必ず授業でやる内容ですが、実際に勉強しないとわからないような内容なのでここで少し紹介していきたいと思います。
それでは今回は
1)火災の定義
2)火災に関する用語
の2本建てでございます(パチパチ)
それでは早速いってみましょう!
火災の定義
火災とは
「火との意図に反して発生し若しくは拡大し、又は放火により発生して消火の必要がある燃焼現象であって、これを消火するために消火施設又はこれと同程度の効果のあるものの利用を必要とするもの、又は人の意図に反し発生し若しくは拡大した爆発現象をいう。」
と、平成6年4月に消防庁長官通知の火災報告取扱要領に定義されています。
火災の定義から見る火災の三要素+α
上記の火災の定義を要約して重要な部分をまとめてみると火災であると認定するための3つの要素がわかってきます。
1つ目は
①人の意図に反して発生
「人の意図に反して発生」というのは人が望まずして燃焼現象が発生した場合をいいます。
例えば、消防署では推奨していませんが農業に関する野焼きや、神社等で行われるお焚き上げなどは人が意図して燃焼現象を起こしているため火災とは認定されません。
しかし、野焼きやお焚き上げの炎が延焼して人が意図しないほどに拡大してしまった場合は基本的に火災と認定されるでしょう。
2つ目は
②消火の必要がある燃焼現象
「消火の必要がある燃焼現象」とは世間一般的に見て消さなければならない燃焼現象のことです。
例えば、調理中のガスコンロ、キャンプファイヤーなどは最終的には消火はしますが、目的をもって燃焼現象を起こしているため今すぐに消す必要はない燃焼現象です。
それに対して建物や車等が燃えていたら今すぐに消さなければとだれもが思うはずです。(実験や番組等の撮影などは別ですが…)
それが「消火の必要のある燃焼現象」です。
3つ目は
③消火施設又はこれと同程度の効果のあるものの利用を必要とするもの
「消火施設又はこれと同程度の効果のあるものの利用を必要とするもの」というのは消火器や消火栓、水バケツ等の消火効果のあるものを使用が必要な燃焼現象が起きている場合をいいます。
例えば、草むらにライターがあって何かの拍子にライターから火が出たとします。
この時点で①の「人の意図に反して発生」と草むらに燃え広がってしまう恐れがあるので②の「消火の必要がある燃焼現象」に該当しますが、
もしライターから草むらに燃え移ってもライターの火がすぐに消えて燃え移った草も風などで消えてしまえば、消火施設等を使用して消火をする必要がありません。
そのためこの場合は火災とは認定されないのです。
もし、この草むらに広範囲に延焼して通行人や消防職員が水等をかけて消火活動を行えばそれは火災になるということです。
火災は以上の3要素であるか、又は「爆発現象」ということで定義されています。
火災に関する用語
火災防ぎょは消防独自の専門分野のため消防内で使われる専門用語が多く存在します。
今回はその専門用語の一部を説明と一緒に紹介したいと思います。
1 出火
火災が発生し、この火災について時間や場所を明確にするときに用いる用語であり火災が発生した箇所を出火箇所と言います。
2 通報
火災等知った者がこれは消防機関に知らせることをいいます。
3 覚知
消防機関が火災等の通報を確認することをいいます。
4 出動(場)
火災等の災害が発生し、又は発生のおそれがあるときに消防隊がその被害を最小限に留めるために現場に急行する一連の行動をいいます。
5 延焼防止
消防部隊の消火活動により火勢拡大の危険がなくなった状態をいいます。
6 鎮圧
有炎現象が終息した状態をいいます。
7 鎮火
現場最高指揮者が、消防隊による消火活動の必要がなくなったと認めた状態をいいます。
8 爆発
⑴「爆発」は人の意図に反して発生し又は拡大した爆発現象をいいます。
⑵「爆発現象」は化学的変化による爆発の一つの形態であり急速に進行する化学反応によって多量のガスと熱とを発生し爆鳴・火炎及び破壊作用を伴う現象をいいます。
9 部隊運用
火災等による被害を最小限に留めるために必要な消防部隊の選定、出動指令、出向の制限等することいいます。
10 消防水利
発生した火災を消火するために必要な水で消火栓、防火水槽、プール、河川、池、海等の消防に必要な水利施設及び消防の用に供し得る水利をいいます。
11 警防調査
地理水利及び建物等の状況を定期的に調査し、火災等の災害発生時に迅速的確に活動できるようにするための事前把握及び保全に関することをいいます。
12 出向
消防部隊が警戒、演習、訓練、調査及びその他の業務連絡のための常置場所を離れることをいいます。
今回は12個紹介しました、似たような言葉でも意味違ったりと意外と消防の専門用語は難しいです。
用語の紹介は不定期にこれからもしていきたいと思います。
まとめ
今回は「火災とは」の第一弾ということで火災の定義を説明させていただきました。
消防職員は火災の調査や原因の判定も行わなくてはならないのでぜひ知っておきたいですね!
次回は火災の分類や出火原因に関して触れていきたいと思います。