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【車両版】現役若手消防士が東京国際消防防災展に行ってみた3

現役若手消防士が東京国際消防防災展に行ってみた3【車両紹介版】

 

みなさんこにちは、健二です。

今回は東京国際消防防災展2018で発表されていた消防車をはじめとする車両たちを紹介していきたいと思います。

現場で活動する消防隊員が扱いやすいように改良された新しい仕様や、最新の機能等が盛りだくさんでしたよ!

 

目次

MORITA 新型消防ポンプ自動車(モリタオリジナルキャビン仕様)

MORITA 新型消防ポンプ自動車(モリタオリジナルキャビン仕様)

まず1つ目は日本の消防車開発のトップを走るモリタポンプの新型水槽付きポンプ自動車です。

この車両に限らずさまざまな改良・軽量化によって大きく変わっていくのは自由に扱えるスペースの増加なのですが、この新型の水槽付きポンプ自動車は隊員の乗車スペース(キャビン)の広さ・積載水量の増加・資機材収納スペースの拡大を大幅に改良している車両になります。

基本的な改良による自由なスペースの増加

隊員の乗車スペース(キャビン)の拡大に関しては最近の消防車両に多いバス型が採用さており、後部の隊員の乗車スペースのルーフが高いのはもちろんですが行動スペースも広くなり、災害現場まで走行している途中でも活動のための準備がとてもしやすくなっています。

また、後部の乗車用の扉がスライドドアのため、乗車・下車が少し容易になることも考えられるでしょう。

次に積載水量の増加に関してですが、水槽付きポンプ自動車は型にもよりますが1,500L(1.5トン)又は2,000L(2トン)の水を積載できるようにしていなくてはならないのですが、この新型の水槽付き消防ポンプ自動車はスペースの増加によって最大2,500L(2.5トン)の水を積載することができます。

また、この車両にはCAFSと呼ばれる空気を圧縮する装置が搭載されており、消火用の薬液と水、空気を混ぜて消火に効果的な泡を吐出することもできます。

泡消火だと最大5,400Lの泡を出すことができるため、消火用水の中継が遅れると想定される場面でも長時間の消火活動ができます。

最後に資機材積載スペースの拡大ですが、こちらも非常に重用です。

ポンプ付きの消防自動車という特性上、ホースや管槍といった消火のための資機材を多く積載しないといけないのですが、消防車は火災現場だけでなく、交通事故現場などの救助の現場にも出動します。

もちろん救助現場には救助隊も出動しますが、もしかしたら救助隊の現場到着が遅れてしまうかもしれません。

もしそのような事態が発生したら、消防隊でできる範囲の救助活動はしなければならないのである程度の救助資機材の積載も必要なのです。

資機材の積載スペースの増加によってより多くの種類の資機材を積載することができ、より迅速で効果的な活動ができるようになると思われます!

MORITA  ミラクルLight

MORITA  ミラクルLight

次に普通運転免許でも運転できる消防車 ミラクルLight です。

こちらもモリタ社製となっております。

この車両は平成29年に改正された道路交通法によって普通運転免許で運転できる車両重量が5t未満から3.5t未満まで引き下げられてしまったため、以前まで主に消防団で使用されていたポンプ車が新たに免許を取得した人には運転できなくなってしまうという問題の解決のため開発されました。

小型ながらも十分な収納スペースも確保され、これからの消防団の車両はこの車両がメインになると考えられます。

MORITA 新型CD-1

MORITA 新型CD-1

こちらもモリタの車両ですが、今回は新型のCD-1の紹介です。

CD-1というのは現在日本で最も主流となっている消防ポンプ自動車の型のことです。

この新型のCD-1の素晴らしいところは

・タンク水積載

・CAFS機能搭載

・充実した収納スペース

・小型電動油圧救助器具の積載(が可能)

・吸管が中央にある

というものが代挙げられますが、ほとんどは以前発表されている車両でも実現しています。

しかし、今回は消火用水を吸い上げる吸管という器具が真ん中についているというところに注目しました。

通常、吸管というのは車両の側面についている(ミラクルLightの写真を見ていただけるとわかると思います)のが主流ですが、資機材収納スペースの拡大のため現在はほとんどのCD-1がどちらか片方にしか吸管がついていません。

そのため、火災現場の水利に部署する際に車両の切り替えしが必要な場面などが生じ、迅速な消火活動が行えないことが考えられます。

そこで、今回の新型のCD-1は資機材の収納スペースの真ん中に吸管を埋め込むように収納することによって資機材収納スペースの確保と、左右両方からの吸管操作を可能にすることを両立できるような設計になっています。

これで水利部署の際に様々な状況で臨機応変な対応が可能になるでしょう。

MORITA MVF21

MORITA MVF21

こちらの車両で最後の紹介になります。

こちらはモリタ社製のMVF21です。

今回の紹介した車両はすべてモリタ社のものですね。

こちらの車両の正式名称は「21mブーム付多目的消防ポンプ自動車MVF21」というそうです。

また、この車両のブームの部分が13mのMVF13というモデルも発表されています。

こちらの車両はモリタとモリタの子会社であるフィンランドのBRONT SKYLIFT OY ABという会社の共同開発で作られた車両で、火災救助に特化した車両になっています。

こちらの車両の特徴は

・最大21mのブームと最大4,000N対応のバスケットを搭載

・要救助者が車いすに乗ったまま救助することができる

・900Lのタンク水積載

・CAFS機能搭載

・十分な資機材の収納スペース

となっています。

なにより1番の特徴といえばブームとバスケットでしょう。

こちらの機能によってはしご車が進入できないような狭隘な密集地であっても高所からの救出や消火活動が可能になります。

また、タンク水の積載とCAFS機能の搭載というスペックも兼ね備えており、消防ポンプ自動車とはしご車のハイブリットといっても過言ではないと思います!

まとめ

3記事にわたって東京国際消防防災展2018で発表されていた資機材や車両を紹介させていただきました。

消防に限った話ではないですが科学の進歩は著しくこれからもどんどん新しく便利なモノたちが開発されていくと思います。

技術の進歩はうれしいことですが1番はこの資機材や車両たちを使わずにいることだと思います。

やむおえない怪我や事故等は起こってしまうと思いますが、この記事を読んでくださっているあなたは火災予防の気持ちをどこか自分の中の隅っこに置いておいていただけると幸いです。